「BLACK BAY」は1950年代、「PELAGOS」は1969年頃のモデルを踏襲して誕生しました。
「BLACK BAY」は全体的にヴィンテージ感のある仕様が特徴で、過去への敬意と現代の技術が合わさったアイコンモデルといえます。
それに対し「PELAGOS」は500m防水という高い機能性などプロダイバーの為の時計開発の集大成ともいえるモデルです。
チューダーを代表するこれらのモデルがどのように違うのか、今回は3つご紹介します。

Ⅰ.素材
「BLACK BAY」の素材はステンレススチールです。
錆びにくいことに加え、耐久性の高さや適度な重厚感、お手入れのしやすさも魅力です。
初めて時計を購入される方や、毎日気兼ねなく使いたいという方にも、これらはひとつの安心材料になるはずです。
一方「PELAGOS」の素材はチタンです。
ステンレスの約60％の重量でとても軽く、そして海水に対する耐性もあります。
プロダイバー仕様のモデルに適した素材といえるのではないでしょうか。

Ⅱ.ベゼル
「BLACK BAY」はアルミニウム製ベゼルディスクで、使用過程で色褪せて変化していくのが特徴です。
昔の主流だった素材をあえて現代に採用することで、ヴィンテージとモダンが融合したような風合いになっています。
一方「PELAGOS」は実用性の観点から、紫外線の影響を受けにくく色味が維持されやすいセラミック製ベゼルディスクが使われています。
どちらも強度があるという共通点の中に「経年変化の味わい」と「持続的な美しさ」という対照的な魅力があります。
一見同じように見えるベゼルも、それぞれのモデルに合った素材となっているのです。

Ⅲ.ダイアル
着想を得たモデルが異なることから、「BLACK BAY」はドットインデックス、「PELAGOS」はスクエアインデックスとデザインも異なります。
1950年代のモデルから既に視認性に優れたデザインでしたが、1969年に初めて採用されたスクエア型インデックスとスノーフレーク針により、夜光塗料をより多く塗布出来るようになり視認性は更に向上しました。
また光り方も違い「BLACK BAY」はグリーン、「PELAGOS」はブルーに光ります。
水には暖色系の光を吸収する性質があるので、これらの寒色系の色は水中でも見やすいといわれています。
暗闇で浮かび上がる優しい光は、海に描かれる月の道のように腕元を照らしてくれるでしょう。